趣ある坂の街、市谷・神楽坂
現在の新宿区となった旧四谷区、旧牛込区、旧淀橋区の3区のうち、市谷・神楽坂エリアが属していたのが旧牛込区だ。このエリアは、北側の高台の台地から南側の外濠沿いの低地までバラエティに富んだ地形がみられ、台地と低地を結ぶ坂道がこのエリアの特徴的な景観を作り出している。
JR山手線の内側に位置していることもあり、交通アクセスの利便性も高い。特に地下鉄路線網が充実しており、市谷・神楽坂エリアから利用できる駅や路線の数は非常に多い。例えば、市谷エリアの最寄り駅となる「市ケ谷」駅には、JR中央・総武線各駅停車のほか、東京メトロ有楽町線・南北線、都営地下鉄新宿線が乗り入れる。これらの路線を利用すれば、「新宿」駅をはじめ、「秋葉原」駅、「池袋」駅、「銀座一丁目」駅、「六本木一丁目」駅など、多くの駅にダイレクトでアクセス可能だ。
また、神楽坂エリアの東側にある「飯田橋」駅からは、JR中央・総武線各駅停車に加え、東京メトロ東西線・有楽町線・南北線、都営地下鉄大江戸線を利用でき、「新宿」駅、「秋葉原」駅、「大手町」駅、「日本橋」駅、「池袋」駅、「銀座一丁目」駅、「六本木一丁目」駅、「都庁前」駅などに乗り換えることなく移動できる。
神楽坂エリアは、かつて花街の中心として栄えた歴史を持つ。その神楽坂のシンボル的存在が「毘沙門天 善國寺」だ。創建は桃山時代という古刹で、江戸時代に火災で焼失した際、毘沙門天を厚く信仰していた水戸光圀によって神楽坂に再建されたという。毘沙門天は、古くからインドで信仰されていた「財宝の神」で、開運厄除けの御利益があると庶民にも人気は広がり、門前には店が立ち並ぶようになったそうだ。これが、その後、花街として発展した神楽坂の街の基礎となっている。
花街の面影は今も神楽坂の趣ある街並みに残されている。その後、関東大震災に被災した商人が日本橋や銀座方面から神楽坂に移り、次々と新しい店が生まれたことから、神楽坂エリアは「山の手銀座」ともいわれ、本場の銀座に劣らないくらいの名店が揃っていたという。
このエリアは、外濠周辺など緑に親しめるスポットも多い。また、「外濠公園」は桜の名所としても知られ、春には大勢の花見客でにぎわう。
もちろん、生活施設も充実している。エリア内にはスーパーマーケットなど買い物施設が充実。神楽坂は商店街になっていて、おしゃれなカフェも点在している。
都内でも歴史の香りが色濃く残る風情のなかで穏やかに暮らせる街。それが市谷・神楽坂エリアの魅力だ。
趣ある坂の街、市谷・神楽坂
所在地:東京都新宿区